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とある年の晩夏、某私立大学の大学生である能戸耕平は、目的地のない旅を続けていたところ、とある無人駅で列車を待つ羽目になってしまった。そしていつ来るとも知れない列車を待ってるうちに、そばにいた子供から話しかけられた。
来夢と名乗ったその少女は、「家出」をしてきたのだという。その意味を耕平はとっさにはかりかねたが、そんな中で、後続の列車がやってきた、しかもそれは昔懐かしい蒸気機関車だった。
途中で話仲間となった初老の紳士、北本行雄とともに、列車に乗り込む二人。しかし、それはこれから起こる奇妙な物語の前触れでしかなかった………。
この作品は、田中作品では珍しいホラー物です。他にこれに近いものと言えば、薬師寺涼子シリーズが挙げられるかもしれません。
しかし、ホラーでありながら陰惨なものだけで終わっていないのは、やはり耕平と来夢という、兄妹以上恋人未満のコンビがいい味をだしているからかもしれません。(あと北本氏もですね。田中先生は喰えない老人を描かせたら天下一品じゃないかと思います。)
で、この作品ですが、シリーズ物となってまして、この度めでたく完結し、田中先生の作品の中では少数派である完結物と相成りました。 途中、出版社が変わったので一時はどうなるかと思いましたが………。
この完結したのを機会に、一読をされるのも良いかもしれません。
元気がもらえること間違いなしだと思います。
「夏の魔術」 ISBN4-19-153659-1
「窓辺には夜の歌」 ISBN4-19-154227-3
「白い迷宮」 ISBN4-19-850133-5
「夏の魔術」 ISBN4-06-182142-3
「窓辺には夜の歌」 ISBN4-06-182153-9
「白い迷宮」 ISBN4-06-182163-6
「春の魔術」 ISBN4-06-182249-7