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21世紀後半、突如地球を襲った「大転倒」−地球の地軸が90度傾くという事態により、あらゆる災害が地球上を襲い、地球上の人類社会は壊滅状態におちいった。ただし、月面上へ移住していた人類は、当然ながら難を逃れた。彼らは、西暦2088年、「汎人類世界政府」を樹立し、2091年にいたり、天上の神々よろしく地球に「降臨」し、綿密な計画の下に、各地に都市を建設した。そして、それら各都市が月面都市に反抗することを防ぐために、オリンポス・システムという、地上500メートル以上を飛行する物体を迎撃するシステムを構築し、各都市から航空・航宙手段を奪った。
かくして、アクイロニア、プリンス・ハラルド、タデメッカ、クンロン、ブエノス・ゾンデ、ニュー・キャメロット、サンダラーと名付けられた七都市は、地球の表面上で建設的なあるいは非建設的な競争にいそしむ事となった。そして、そんな中で月面都市の人類は、支配者として我が世の春を謳歌していた。
ところが2136年にいたり、正体不明のビールスによる疫病により、今度は月面都市の人類が、オリンポス・システムを稼働させたまま滅んでしまう。オリンポス・システムの機能停止は少なく見積もっても二百年、その間は空を飛ぶことも宇宙へでることも出来ない。こうして、地球上の人類は空を奪われた状態のもとで、限られた人類社会の覇権を巡って、互いに抗争を繰り広げられることとなった。
この本は、5つのエピソードからなるオムニバス形式となっています。当然、特定の主人公がない群像劇となっています。その点は銀河英雄伝説などに通じるところがあります。
ただし、今回はとにかく敵味方ともに極悪人ぞろいで、しかも陰険漫才のオンパレードです。どの位そうなのかは実際に読んでいただくとして(笑)、とにかく歯ごたえのある作品ではあります。
でもこの物語、たった一巻だけなんですよね。しかも、初版から十年以上もたってるし(苦笑)。色んな面白いお話が読めそうな素材なのに残念です。
一刻も早い続巻を望みたいものです。