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ケチなサギ師であるサイアムは、とある田舎の領主の館にニセ賢者として滞在していた。
そこへ放浪の賢者、賢者の長として名高いグラン・ローヴァが近くを通りかかるという話題が出た。化けの皮を剥がされるのを恐れたサイアムは、グラン・ローヴァを捜しだして道をそらそうと館を出ることにした。そしてグラン・ローヴァを見つけだすのだが・・・。
偶然の成り行きで、グラン・ローヴァと旅をすることになったサイアムは、様々な経験を積んでいく。小さき妖魔との出会いと別れ、途中で旅に加わる水蛇の少女イリューシアとの触れ合い、そしてとてつもない力を持つという銀晶球を捜しだす過程で、彼は思わぬ運命に巻き込まれてしまうことになる。
グラン・ローヴァ物語は、1990年に潮出版社より第1巻が刊行されました。当時は同じく潮出版社の月刊誌コミックトムに連載されていました。そして私が紫堂作品に接した初めての作品です。
当時私は、南伸坊さんの装幀にひかれてこの作品の第1巻を購入したのですが、光いっぱいのイラストに、時に軽妙さを含んだストーリーのおかげで、たちまちお気に入りの作品の一つになりました。当時はコミックトムを毎月購入して、ストーリーを追っかけていましたね。(今思えば、あの頃がトムの全盛時代だったような気がします。)
この作品はコミカルな所も面白いのですが、やはり着目すべきなのは、グラン・ローヴァという「賢者」の造形に尽きると思います。
彼は、賢者の長と呼ばれる身ですが、サイアムに「何も」教えません。結局サイアムは自分で何もかもやらなければならない羽目に陥ります。
しかし銀晶球をめぐる旅の果てに、サイアムが人間や自分自身に絶望した時、グラン・ローヴァはサイアムに一つの事を教えます。私はそこに、単に知識を蓄えたものだけが賢者ではないということを、深く思い知らされました。
とにかく最後まで読んで下さい。おそらくこの作品の背後に見えるテーマが感じ取れるはずです。そしてそのことは、これからの人生で必ず役に立つことだと私は思うのです。
グラン・ローヴァ物語1 ISBN4-267-90202-X
グラン・ローヴァ物語2 ISBN4-267-90222-4
グラン・ローヴァ物語3 ISBN4-267-90243-7
グラン・ローヴァ物語4 ISBN4-267-90260-7
決定版グラン・ローヴァ物語1 ISBN4-04-852936-6
決定版グラン・ローヴァ物語2 ISBN4-04-852949-8
決定版グラン・ローヴァ物語3 ISBN4-04-852990-0
決定版グラン・ローヴァ物語4 ISBN4-04-853017-8