「やねしん」のさろん

Le soleil brille pour tout le monde, chacun a le droit d'etre heureux.

since Feb. 4, 2001

「やねしん」のさろん・本だな

「石にかじりついても研究を続けて教授になれ」
「辞める気なら十年くらい 
教授に居座ってからでも遅くはないぞ」

宗像教授伝奇考

あらすじ

 宗像伝奇(むなかた・ただくす)は東京にある東亜文化大学教授で、民俗学を専門にしている。
 大学でいつもの通り講義を行なっていた宗像は、ある日女子学生から声をかけられた。
 伊香真奈と名乗ったその学生は、上京してきた両親と共に見て欲しい物があると言った。
 その物とは七星剣、中国の星宿思想から北斗七星を刻んだ鉄剣であった。しかも裏側に刻まれていた星は通常とは異なる昴宿昴(すばる)であった。
 しかも伊香真奈の故郷は羽衣伝承地の一つの島根(出雲)。折しも白鳥処女説話の研究を行なっていた宗像は興味を覚え、早速真奈の故郷である島根・多々良村へと向かった………。

解  説

 宗像教授伝奇考は1995年から1999年の間、コミックトム(コミックトム プラス)誌上にて連載された作品です。作者はヤマタイカの作者でもある星野之宣氏です。星野氏といえば、どちらかといえばSFの方が有名なのかもしれませんが、私の場合はこういった民俗物というか歴史物というものの方が好きだったりします。
 さてこの作品の主人公である宗像教授造形についてですが、最初は何となくキートンを彷彿とさせるものがあったのですが、よくよく考えてみると、こちらは大学の主流から外れているとは言え現職の大学教授で、しかもほとんど荒事はしませんですしね、まあ強いて共通点を挙げるとすれば好きな学問に一筋に打ち込むという真摯な姿勢といったところでしょうね。
 ちなみに私がこの作品でいいなと感じているところは、伝承や歴史の謎というものを、論理的に解いていくことの楽しさというものを、面白く読者に訴えているところですね。
 本気で民俗学や歴史学といった学問で身を立てようとしている人はともかく、一般の人々が歴史に興味を持つというのは、こういった謎を解くことと言ったこともあると思うのです。そう言う意味ではこの作品というのは、まさにうってつけの題材ではないかと思うのです。
 ちなみに一般のコミックサイズではなく、少々値が張る作品ではありますが、歴史や民俗学といったものに興味を持っている方にはお勧めできる作品だと思います。


星野之宣 著 「宗像教授伝奇考」 潮出版社

宗像教授伝奇考 第1集        ISBN4-267-90294-1
宗像教授伝奇考 第2集        ISBN4-267-90298-4
宗像教授伝奇考 第3集        ISBN4-267-90311-5
宗像教授伝奇考 第4集        ISBN4-267-90319-0
宗像教授伝奇考 第5集        ISBN4-267-90331-X
宗像教授伝奇考 第6集        ISBN4-267-90346-8
宗像教授伝奇考 特別版        ISBN4-267-90400-6